9条　その真義

9条　その真義 デミアン・アンドリュース

日本以外の国に住む者には憲法9条は聞いたこともなく、私も日本に来るまでは気にとめなかった。だが、条文の言葉は単純であるものの、意味するところは奥深いと知る。起草者は意図しなかったにせよ、9条は日本のみならず世界にとっても平和を実現する究極のものだ。その目的は侵略の可能性を排除することで、この60年地球上で戦火が続く中、日本は9条を堅持し侵略をしてこなかった。

日本がかつての敵と友になったように、手をとり平和条約にサインをすることで友情は回復する。そして時が過ぎ数世代後には、戦争は歴史教科書の単なる脚注になるかもしれない。平和の達成に戦争が必要だ、なんてことはない。戦争の荒廃に未来の人間が直面する必要はない。これは日本が今自信を持って世界に発信できるメッセージだ。戦争が紛争解決の唯一効果的な方法だ、なんていうのは真っ赤なウソだ。私は親の世代が「敵」と呼んだ友人たちと素晴らしい生活をエンジョイしているのだから。

 （原文　英文　/　和訳：村松真理子）